デジタルデバイスに囲まれた現代生活で、多くの方が目の疲れや不調を感じています。特に緑内障は40歳以上の方の約5%が罹患するといわれる目の病気です。早期発見が難しく「静かな視力泥棒」とも呼ばれています。

緑内障の主なリスク要因には、眼圧の上昇、加齢、家族歴などがありますが、日常生活での予防や対策も重要です。漢方医学では目の健康を「肝」と関連づけて考えます。肝は血を蔵し、目を潤す働きがあるとされています。

緑内障リスクを下げるためには、まず食生活の見直しが大切です。抗酸化作用が期待できるブルーベリーやビタミンA豊富な緑黄色野菜（ほうれん草、にんじんなど）を積極的に摂りましょう。DHA・EPAを含む青魚も目の健康に良いとされています。

また、体を温める食材も重要です。しょうがやねぎなどの薬味、温かいスープなどを取り入れると血行が促進され、目の栄養補給がスムーズになります。逆に、冷たい飲食物の摂りすぎは血行不良を招くので注意しましょう。

養生法としては、まず適度な休息が大切です。パソコンやスマホを長時間使用する場合は、1時間ごとに10分程度の休憩を取り、遠くを眺めるようにしましょう。また、蒸しタオルで目の周りを温めると血行が良くなります。

睡眠も重要な養生ポイントです。漢方医学では午後11時から午前3時が肝の働きが活発になる時間帯とされています。この時間帯にしっかり眠ることで、肝の働きを整え、目の健康維持につながります。

ストレスも目の健康に影響します。深呼吸や軽いストレッチなどでリラックスする時間を作りましょう。また、目元のツボ押しも効果的です。目の下の骨のくぼみにある「晴明」というツボや、目頭の内側にある「睛明」というツボを優しく押すと、目の疲れが和らぎます。

緑内障は一度視野が欠けると元に戻らない病気です。定期的な眼科検診も忘れずに受けましょう。日常生活での養生と医療機関での適切なケアを組み合わせることが、目の健康を守る最善の方法です。