現代社会では、スマートフォンやパソコンの長時間使用により、多くの方が目の疲れを感じています。この「目の疲れ」と「緑内障」には、実は密接な関係があることをご存知でしょうか。

緑内障は日本における中途失明原因の第一位とされる眼疾患です。眼圧の上昇などにより視神経が障害され、視野が狭くなっていく病気です。初期症状がほとんどなく、進行するまで気づかないことが特徴です。

では、目の疲れと緑内障はどのように関連しているのでしょうか。目の疲れ自体が直接緑内障を引き起こすわけではありませんが、長時間のデジタル機器使用などによる目の酷使は、眼精疲労を引き起こします。眼精疲労になると、無意識のうちに瞬きが減少し、目の表面が乾燥しやすくなります。また、画面を凝視することで首や肩の筋肉が緊張し、血流が悪くなることも。

こうした状態が続くと、既に緑内障を発症している方では症状が悪化する可能性があります。また、緑内障でなくても、眼精疲労は頭痛や肩こりなど様々な不調を引き起こし、生活の質を低下させます。

緑内障の代表的な症状としては、視野の一部が見えにくくなる、目の奥の痛み、頭痛、目の充血などがあります。ただし、開放隅角緑内障という最も一般的なタイプでは、初期にはほとんど自覚症状がないため、定期的な眼科検診が重要です。

予防と対策としては、まず20-20-20ルールの実践がおすすめです。これは、20分ごとに20フィート（約6メートル）先を20秒間見るというもの。デジタル機器を使用する際は、画面との距離を適切に保ち、部屋の照明も調整しましょう。また、漢方薬の中には目の疲れを和らげるものもあります。

目の健康維持には、ルテインやアスタキサンチンといった抗酸化成分を含む食品も効果的です。緑黄色野菜やブルーベリー、サーモンなどを積極的に摂取しましょう。

最も重要なのは、40歳を過ぎたら年に一度は眼科で検診を受けることです。緑内障は早期発見・早期治療が鍵となります。目の疲れを感じる機会が増えたら、それは体からの警告サインかもしれません。

日常生活での小さな心がけと定期的な検診で、大切な視力を守りましょう。目の健康は、豊かな人生を送るための重要な要素なのです。