皆さんは「白内障」という言葉を聞くと、どのようなイメージをお持ちでしょうか？多くの方が「高齢者の病気」と思われるかもしれませんが、実は40代から徐々に始まることも少なくありません。

白内障は目の水晶体が濁る疾患で、加齢とともに発症リスクが高まります。初期症状としては、かすみ目や眩しさを感じることが多く、進行すると視力低下が顕著になってきます。

白内障の主な原因は加齢ですが、それ以外にも紫外線の長期曝露、喫煙、糖尿病などの生活習慣病、ステロイド薬の長期使用なども関連しているといわれています。特に紫外線は水晶体のタンパク質を変性させ、濁りの原因となります。

白内障の進行を遅らせるためには、日常生活での対策が重要です。まず、サングラスや帽子で紫外線から目を守ることが大切です。屋外活動が多い方は特に注意が必要でしょう。

また、抗酸化作用のある食品を積極的に摂取することも効果的です。ビタミンCやEを多く含む野菜や果物、ルテインやゼアキサンチンを含むほうれん草やブロッコリーなどの緑黄色野菜がおすすめです。

さらに、目の健康維持には漢方の知恵も活用できます。漢方では目の不調を「肝」の機能低下と関連づけて考えることが多く、肝機能を整えることで目の健康をサポートする考え方があります。

禁煙も重要です。喫煙者は非喫煙者に比べて白内障のリスクが約2倍になるというデータもあります。また、糖尿病や高血圧などの生活習慣病の管理も白内障予防には欠かせません。

定期的な眼科検診も忘れないでください。早期発見・早期対応が症状の進行を遅らせる鍵となります。特に40代以降は年に一度は眼科を受診することをお勧めします。

パソコンやスマートフォンの長時間使用による眼精疲労も、間接的に白内障のリスクを高める可能性があります。1時間に10分程度は目を休め、遠くを見るなど意識的に目を休ませましょう。

白内障は完全に予防することは難しいですが、適切な生活習慣の改善と早期対応によって進行を遅らせることができます。目は一生使う大切な感覚器官です。日頃からのケアを心がけ、明るい視界を長く保ちましょう。