最近、若年層での白内障の発症が増加していると耳にすることが多くなりました。かつては高齢者の病気と考えられていた白内障が、30代や40代でも見られるようになってきています。これは現代社会の生活習慣の変化と大きく関係しているといわれています。

白内障は目の水晶体が濁る病気で、進行すると視界がかすんだり、ぼやけたりすることで日常生活に支障をきたします。高齢化に伴う自然な老化現象として発症するケースが多いですが、最近では若年層での発症も目立つようになってきました。

若年性白内障の主な原因として考えられているのが、長時間にわたるデジタルデバイスの使用です。スマートフォンやパソコンから発せられるブルーライトは眼への負担が大きく、水晶体の老化を早める可能性があります。また、紫外線の過剰な浴び方も危険因子の一つです。日差しの強い日に適切な紫外線対策をせずに外出することで、目の水晶体にダメージを与えてしまうことがあります。

他にも、喫煙、偏った食生活、ストレス、睡眠不足なども若年性白内障のリスクを高める要因として挙げられます。特に抗酸化物質の摂取不足は目の健康に悪影響を及ぼすことが分かっています。

では、若年性白内障を予防するためには具体的にどのような対策が有効なのでしょうか。

まず、デジタルデバイスの使用時間を適切に管理することが大切です。長時間の連続使用は避け、定期的に目を休ませる時間を設けましょう。20分ごとに20秒間、20フィート（約6メートル）先を見るという「20-20-20ルール」が推奨されています。

次に、外出時には紫外線対策をしっかり行うことが重要です。UVカット機能付きのサングラスや帽子の着用が効果的です。特に海や雪山など、紫外線の反射が強い環境では注意が必要です。

食生活の面では、抗酸化作用のある食品を積極的に摂取することをお勧めします。ビタミンA、C、Eや亜鉛、ルテインなどが豊富に含まれる食材は目の健康維持に役立ちます。具体的には、緑黄色野菜、ブルーベリーなどのベリー類、魚類、ナッツ類などを意識して食べるとよいでしょう。

漢方の観点からは、肝腎を補い、目の機能をサポートする生薬が注目されています。枸杞子（クコシ）や菊花（キクカ）などの生薬は目の健康に良いとされており、これらを含む漢方薬は目の不調に悩む方々に処方されることがあります。

若年性白内障は早期発見と適切な対応が重要です。目の違和感を感じたら、早めに眼科を受診することをお勧めします。定期的な眼科検診も予防には効果的です。現代社会の中で大切な目の健康を守るために、日常生活での心がけを見直してみませんか。