目の不調を感じたとき、「様子を見よう」と放置してしまうことはありませんか？実は目の症状は全身の健康状態を反映していることが多く、早期発見・早期治療が大切です。今回は代表的な眼病とそのセルフチェック方法について解説します。

まず代表的な眼病として「白内障」があります。水晶体が白く濁り、視界がかすんだり、まぶしさを感じたりする症状が特徴です。年齢を重ねるとともに発症リスクが高まりますが、紫外線の影響も大きいため、日頃からUVカットのサングラスを活用することをおすすめします。

次に「緑内障」です。眼圧が上昇することで視神経が障害され、視野が欠けていく病気です。初期症状がほとんどないため「静かな失明」とも呼ばれます。定期的な眼科検診で眼圧測定を受けることが早期発見の鍵となります。

「加齢黄斑変性」は黄斑部（網膜の中心部）が加齢によって障害される疾患です。中心視野がゆがんで見える、暗くなるといった症状が出ます。アムスラーチャートという格子状の紙を使って自宅でもチェック可能です。線がゆがんで見える場合は早めに眼科を受診しましょう。

「ドライアイ」はパソコンやスマホの長時間使用で増加している現代病です。目の乾燥感、疲れ、痛み、かすみなどが症状として現れます。意識的にまばたきをする、目薬を使用する、適度に休憩を取るなどの対策が効果的です。

漢方医学では目の不調を「肝」の機能低下と関連付けて考えることがあります。肝は血を蓄え、目に栄養を送る役割があるとされているからです。疲れ目や視力低下に悩む方には、肝の働きをサポートする漢方薬が処方されることもあります。

セルフチェック法として、日常的に以下のポイントに注意しましょう。
・視界がぼやけたり、かすんだりしていないか
・まぶしさを強く感じるようになっていないか
・視野の一部が見えにくくなっていないか
・目の充血や痛みが継続していないか
・頭痛を伴う目の痛みがないか

これらの症状が見られたら、早めに眼科を受診することをおすすめします。また、40代を過ぎたら年に一度は眼科検診を受けることで、多くの眼病を早期発見できます。

目は「心の窓」とも言われるように、私たちの生活の質を大きく左右する大切な感覚器官です。日々のケアと定期的なチェックで、健やかな目の状態を維持していきましょう。専門家の適切なアドバイスを受けながら、自分の目に合った対策を見つけることが何より重要です。