誰もが年齢を重ねると気になってくる「白内障」。
眼のレンズ役である水晶体が濁り、視界がかすんだり、ぼやけたりする症状が現れます。
現在は手術技術が向上し、短時間で安全に治療できるようになりましたが、できることなら予防したいもの。
実は白内障の進行を遅らせる方法があるのをご存知でしょうか。

白内障の主な原因は加齢ですが、紫外線の過剰曝露、喫煙、糖尿病、ステロイド長期使用なども発症リスクを高めます。
これらの要因に対する対策を知ることで、発症を遅らせることが可能です。

まず取り組みたいのが、日常的な紫外線対策です。
UVカット機能付きのサングラスや帽子の着用が効果的です。
特に真夏や雪山など紫外線の強い環境では必須と言えるでしょう。

次に食生活の見直しです。
抗酸化物質を多く含む食材を積極的に取り入れましょう。
ビタミンC（ブロッコリー、柑橘類など）、ビタミンE（アーモンド、ひまわり油など）、ルテイン（ホウレンソウ、ケール）などは目の健康維持に役立ちます。
また、オメガ3脂肪酸を含む青魚も良いとされています。

生活習慣の改善も重要です。
喫煙は白内障リスクを約3倍に高めるという研究結果もあり、禁煙は目の健康にとって大きなメリットがあります。
また、血糖値のコントロールも欠かせません。糖尿病の方は特に定期的な眼科検診を受けることをお勧めします。

漢方の観点から見ると、目の健康には「肝」の働きが関係しているとされます。
肝の働きを整える食材として、緑黄色野菜や苦味のある食材が推奨されています。
また、目の疲れを感じる方には、枸杞子（くこし）や菊花を使ったお茶も民間療法として親しまれています。

スマホやパソコンなど目に負担をかける現代生活では、適度な休息も欠かせません。
20分画面を見たら、20秒間遠くを見るという「20-20-20ルール」を実践してみてはいかがでしょうか。

最後に忘れてはならないのが、定期的な眼科検診です。
初期の白内障は自覚症状が乏しいため、40代以降は年に一度の眼科検診をお勧めします。
早期発見できれば、進行を遅らせる適切なアドバイスを受けられます。

白内障は完全に予防できるものではありませんが、これらの対策を日常に取り入れることで、発症を遅らせ、健やかな視力を長く保つことができるでしょう。
目は大切な感覚器官です。毎日の小さな心がけで、明るい視界を維持していきましょう。