緑内障は日本における失明原因の上位を占める眼疾患です。現代医学では完治が難しいとされていますが、適切な生活習慣と養生法を取り入れることで症状の進行を緩やかにし、より快適に過ごすことができます。

緑内障の主な特徴は、眼圧の上昇による視神経の障害です。初期段階では自覚症状がほとんどないため、定期的な眼科検診が重要となります。症状が進行すると視野狭窄が起こり、日常生活に支障をきたすことがあります。

東洋医学では緑内障を「肝腎不足」「気血両虚」などの状態と捉えます。漢方の考え方では、肝（かん）は目と深い関係があるとされ、肝の機能を整えることで目の健康を保つ考え方があります。

生活面での工夫としては、まず睡眠の質を高めることが大切です。肝は夜間に休息・修復するとされているため、22時から2時の間はしっかり眠ることをおすすめします。また、ストレスは眼圧上昇の一因となるため、適度な運動や瞑想などでリラックスする時間を持ちましょう。

食事面では、抗酸化作用のあるブルーベリーやほうれん草などの緑黄色野菜を積極的に摂取すると良いでしょう。また、ビタミンAが豊富な食材や、オメガ3脂肪酸を含む青魚も視神経の保護に役立つとされています。過度の塩分や糖分、カフェインの摂取は控えめにするのが理想的です。

目の疲れを和らげるためには、温かいタオルで目を温める「温罨法」も効果的です。血行が促進され、緊張した目の周りの筋肉をほぐす効果が期待できます。また、目の周りのツボを優しくマッサージすることで、緊張を和らげることができます。

水分補給も重要なポイントです。適切な水分摂取は眼圧のバランスを保つのに役立ちます。ただし、一度に大量の水分を摂取するのではなく、こまめに水分を補給する習慣をつけましょう。

緑内障の治療では、医師からの指示に従い、点眼薬などの治療を継続することが最も重要です。養生法はあくまで補助的な役割を果たすものと捉え、医師との連携を大切にしてください。

毎日の小さな習慣の積み重ねが、緑内障と共に生きる質を高めることにつながります。ご自身の体調に合わせた無理のない範囲で、これらの生活の知恵を取り入れてみてはいかがでしょうか。