年齢を重ねるにつれて気になる目のトラブル、その中でも白内障は多くの方が直面する問題です。白内障とは目の中の水晶体が濁ってしまう状態で、視界がかすんだり、ぼやけたりする症状が現れます。

白内障の主な原因は加齢とされていますが、実はそれだけではありません。紫外線の長期曝露、喫煙、糖尿病などの生活習慣病、目の外傷、特定の薬の長期服用なども引き金になることがあります。特に近年の研究では、ブルーライトの影響も注目されています。スマートフォンやパソコンを長時間使用する現代人は、知らず知らずのうちに目に負担をかけているのです。

白内障の初期症状は見逃されがちです。「最近、明るい場所でまぶしく感じる」「夜の運転で対向車のライトがまぶしい」「色がくすんで見える」といった変化に気づいたら、早めに眼科を受診しましょう。

白内障の予防と対策について、最新の研究結果を踏まえてご紹介します。まず、食事からの対策が重要です。抗酸化作用のあるビタミンC、E、ルテインを多く含む食品を積極的に摂取しましょう。緑黄色野菜、柑橘類、ナッツ類などが効果的です。

次に、日常生活での紫外線対策も欠かせません。UV加工されたサングラスや帽子の着用は、外出時の基本です。また、ブルーライトカット機能付きのメガネやスマートフォンの設定変更も考慮すべきでしょう。

漢方薬による目の健康サポートも注目されています。東洋医学では目の健康は「肝」と深い関わりがあるとされ、肝機能を整える漢方薬が処方されることがあります。体質や症状に合わせた漢方相談は専門の医療機関で行うことをお勧めします。

白内障が進行した場合の治療法としては、手術が一般的です。現在の白内障手術は日帰りで行われることが多く、技術の進歩により安全性も高まっています。濁った水晶体を取り除き、人工レンズを挿入する手術で、多くの方が視力回復を実感されています。

最新の治療法としては、より小さな切開で行う手術や、多焦点眼内レンズの使用など、個々の生活スタイルに合わせた選択肢が増えています。

目は私たちの生活の質に大きく関わる大切な感覚器官です。日常のケアと定期的な検診で、白内障の予防と早期発見に努めましょう。不安な症状がある場合は、迷わず眼科医に相談することをお勧めします。